2023/06/03

平地に白線などで駐車区画をひいただけの駐車場を「平面駐車場」と言うのに対し、建築物や機械装置により駐車場を多層化・立体化したものを「立体駐車場」と言います。立体駐車場の種類には「自走式駐車場」と「機械式駐車場」に大きく分かれます。自走式駐車場はその言葉通り、スロープを使って自分で車を上層階や地下へ走行させて駐車させるものです。ショッピングセンターやスーパーではおなじみの方式です。
数十台から数百台停めることができるのに一度作ってしまえば維持費はそれほどかからないのがメリットですが、ある程度の敷地面積が必要になります。機械式駐車場はパレットと呼ばれる台に車を乗せて、モーターや油圧機構で車を搬送させて格納するものです。地上二段式のものや地下構造を有するピット二段式はマンションの駐車場でよく利用されています。デパートやショッピングセンターでは大規模なタワー式駐車場が利用されており、タワーの中でパレットが観覧車のようにグルグル回って循環する垂直循環方式と垂直と前後左右に立体的にパレットを格納するエレベーター方式とがあります。
どの駐車場の方式を採用するかは、その地域の土地の価格や利用できる土地の広さに大きく左右されます。都心や都市部から大きく離れたところでは土地の価格が安かったり利用できる土地が多いため、維持費が最も安い平面駐車場にすることが多いです。逆に土地の価格が高く利用できる敷地面積が少なくなる都市部では機械式の立体駐車場にする傾向があります。